NPB2019年一塁手ベスト3
評価基準
3位 村上 宗隆
- war 1.9(42位)
打撃 75点
狭い神宮球場が本拠地とはいえ、19歳で30本塁打越えは見事。打率が.231(規定到達最下位)と低いですが、BABIP.279(47位)と運に恵まれなかったせいかなと。ただし、打球方向の8割強がセンターから引張方向とシフトの餌食になり、低打率は続きそうな予感。ちなみに、逆方向の打率は低いが(.116)ホームランは多い(13本)という珍しい成績を残していますね。逆方向に打つこと自体は苦手じゃなさそう。
三振数も184(規定到達最下位)と全体的に粗さは目立ちますが、まだ20歳なので細かいことは気にせずにスケールの大きい長距離バッターに育ってほしいですね。完成形は筒香でしょうか。
守備 50点
- UZR -0.3(43位)
打撃成績は岡本と同程度だったのですが、村上>岡本だったのは守備の差。岡本のUZRは-9.0(70位)。打撃重視のポジションとはいえ、さすがにこれだけの差がつくとね・・・。
村上も岡本も2020年はサードに挑戦するようですが、どうなることやら。ちなみに、岡本の3塁のUZRは0.3(たったの400イニングですが)と守備が上手いのか下手なのかよくわからないですね。
走塁 50点
- wSB -0.6(47位)
- UBR 2.2(19位)
- 盗塁 5(28位)
- 盗塁成功率 55%
低打率長距離打者ということで足が遅いイメージがありますが、実際は平均程度。まあ、体重も結構あるんで、若いとはいえ今後走力が伸びることはほとんど期待できないでしょうね。
2位 ダヤン ビシエド
- war 3.9(16位)
打撃 80点
MLB時代のフリースインガーぶりはなんだったんでしょうね。日本に来てからは、2017年を除いて出塁率.350以上と安定して高出塁率を維持。昨年も.374(16位)。
ただし、表面上の数字は優秀ですが、2年連続BABIP.340以上と運に恵まれている感じが強いですね。
守備 65点
- UZR 3.9(24位)
MLB時代のクソ守備を見てると、UZRがプラスなのは意外。まあ、一塁に守備が上手い選手が少ないのも大きいんでしょうね。
走塁 20点
- wSB 0.0(25位)
- UBR -3.9(52位)
- 盗塁 2(39位)
- 盗塁成功率 50%
走塁は全く期待できないですね。
1位 山川 穂高
- war 3.3(26位)
打撃 90点
フライボール率59%(1位)、引っ張り方向の打球が51.5%(2位)と典型的なプルヒッターの長距離砲。動きの多い独特なフォーム、大柄な見た目、(それとぱっちり二重)と日本人離れしたロマン砲といった感じですね。本人は確実性も重視して三冠王を獲りたいようですが、2020年以降の成績にどれくらい変化があるのか注目です。
ちなみに、BABIP.266(54位)と運に恵まれなかった中でこの成績は見事。warが上のビシエドよりも高い順位にしたのはここも加味してです。
守備 30点
- UZR -6.3(62位)
昨年の+5.1(23位)から大幅悪化。ただ、UZRは数年間見ないと、守備下手なのかどうかは分からないですね。
走塁 20点
- wSB 0.2(16位)
- UBR -2.3(42位)
- 盗塁 1(49位)
走塁は全く期待できないですね。
総評
意外と人材が少ない上に、2020年シーズンは村上と岡本が三塁挑戦の可能性+内川とロペスには衰えが見え始めとさらに人材難に。新外国人もボーアとロドリゲスくらいしかいないので、フルシーズン出るだけでトップ3に入り込める穴場のポジションになってますね。
怪我と不調(と運)に苦しんだ中田のバウンスバックと山下(巨人)や清宮の台頭に期待。
ちなみに、ロッテの井上はたったの560イニングしか守っていないのと指名打者の人材難のため、指名打者部門に回しました。
NPB2019年捕手ベスト3
評価基準
3位 梅野 隆太郎
- war 3.6(20位)
打撃 60点
リーグ平均レベルですが、守備型の捕手でこれだけ打ってくれれば十分でしょう。
守備 80点
昨年度?から、DELTAが目視でフレーミング指標を出していたんですね。投球コースやミット移動距離を考慮していて結構本格的ですね。Twitterなどを中心にフレーミングの上手さが話題になっていた梅野ですが、やはり指標も優秀でした。
投球コース等を考慮した「ブロッキング得点」では、リーグ平均を少し下回る程度。まあ、十分許容範囲ですね。盗塁阻止率も優秀です。
ちなみに、打撃成績だけなら僅差で甲斐が勝っているのですが、守備面で圧倒しているので梅野を選びました。甲斐の守備って過大評価されてますよね。
走塁 80点
- wSB 1.1(8位)
- UBR 0.7(28位)
- 盗塁 14(14位)
昨年までは、軒並み平均以下だった走塁指標が今年から一気に平均以上に。捕手で平均以上の走塁指標を記録するのはすごい。特に盗塁はオフのコーチとの練習の成果か、昨年と比べて5→14と一気に増加。
2位 會澤 翼
- war 3.8(18位)
打撃 80点
捕手としては十分すぎる程の成績を記録。特にOBP.387(13位)は素晴らしいですね。ただ、ハードヒット率39.3%(14位)をみるともっと成績を伸ばせるのでは?と期待してしまいます。ちなみに、ハードヒット率は、山川や浅村、デスパイネよりも上です。あと、意外にも2019年が初の規定打席到達なんですね。
守備 30点
軒並みリーグ平均~リーグ平均以下。2015年にリーグトップの盗塁阻止率を記録したのは何だったんですかね。
走塁 20点
- wSB 0.0(37位)
- UBR -5.6(67位)
- 盗塁 2(44位)
走塁は全く期待できないですね。
1位 森 友哉
- war 7.8(2位)
打撃 99点
低い重心+大きなレッグキックというかなり変わったフォーム。捕手としては、野村・古田・阿部以来の4人目の首位打者。どの打撃指標をみても、文句のつけようが無いですね。170センチとかなり小柄なんですが、手首を骨折した2017年を除けばほぼ全試合に出場と耐久性も〇。まあ、捕手としてフルシーズンを過ごしたのは今年が初めてなんですけどね。
守備 40点
平均以下の指標が目立ちますが、まだ若いですし改善の余地は大いにあるでしょう。それに、フレーミングは優秀ですしね。せっかく打てる捕手が出てきたので、コンバートは絶対に止めてほしいのですがどうなりますかね・・・。
走塁 50点
- wSB -0.2(40位)
- UBR 4.6(10位)
- 盗塁 3(34位)
盗塁は苦手だけど走塁は得意なんですね。
総評
通ぶったファンに守備(特にリードなどのセイバーメトリクスでは表せない部分)が過大評価されがちなポジションですが、個人的には打撃力を優先して評価しています。そのため、會澤>梅野の評価です。リードや盗塁阻止率はどうしても投手の能力に左右されてしまいますからね。そもそも、リスクの多い盗塁は今後減っていくでしょうし、リードや守備陣への支持なんてベンチがやればいいだけの話ですからね。実際MLBではやっていますし。
それと、負担の多いポジションですから、今後は併用が当たり前の時代が来るかもしれないですね。 理想としては、會澤のような打撃型と小林のような守備型の併用ですかね。打撃型をスタメン、守備型を終盤の守備固めで起用。
話がそれましたが、来期は梅野の更なる成長に期待したいところです。